裏方 

urakata

舞台装置・大道具と尺貫法
一寸は約3cm、一尺は約30cm、1間=6尺
すばやく場面を転換させるための装置に「回り舞台」があります。舞台中央の床を大きく円形に切った「盆」と呼ばれる舞台面に装置を置いたままぐるっと回転させる仕組みです。明治座の舞台には直径5.5メートルの盆があり大きな屋台を組んだまま、一瞬にして場面を入れ替える事ができます。この回り舞台は今でも裏方さんが舞台の床下(奈落)に入って人力で盆を回しているのです。

urakata

舞台に携わる人たちは、限られた時間でセットアップしなければなりませんので、一々メジャーを使って測る事はあまりしません。自分達それぞれの体で、尺や間(けん)を覚えておきます。人の歩幅は、大小あると思いますが約一尺なので6歩で6尺ですから、一間ということになります。たとえば「箱馬」と呼ばれる舞台を組む時に平台の脚の役目をするものがあります。標準のものは1尺と1尺6寸の長方形で、高さが6寸の箱型です。平台は3尺×6尺のいわゆる畳の大きさで高さが4寸です。箱馬をステージに、じかに置いて、高さが6寸になるので、平台の高さとあわせて尺高(一尺の高さ)を作ることが出来ます。舞台を組まないフラットな状態は「平」と言って庶民の家。箱馬を2段積むと「二重」と言って武士の家。4段積むと「高二重」と言って御殿。と言う具合に、組み合わせて色々な高さを作ることができます。
ただし、明治座では創建当時の大道具を基にした明治座独自のサイズが用いられています。

urakata

安江 利朗さん
父親の清三さんが戦後役者として明治座で活動していたこともあり、大工という仕事を活かして道具を作るのを手伝ってきたと言う利朗さん。大道具を本格的に担当するのは昭和48年に現在の加子母歌舞伎保存会ができてからということです。それ以来、大道具一筋35年で現在は息子の安江恒明さんも加子母歌舞伎保存会の役者として活動し、さらに恒明さんのお子さんも子供歌舞伎に出演し、親子4代続く地歌舞伎ファミリーとして知られています。
大道具に関しては講習会に参加したりと研究もされていて、過去明治座で行われた大歌舞伎の公演などの際にプロの大道具さん達からも多くの事を学んだそうです。明治座の道具のサイズが独自であるのもその際に知ったそうです。
近年では武蔵野美術大学の川口教授が空間演出デザイン学科の学生を率いて、舞台演出の体験学習の場として9月の公演前に加子母を訪れます。学生達が大道具や小道具を作ったり照明の手伝いをしたり、加子母で利朗さんと共に、本格的な大道具制作を毎年展開しています。
          黒子のクロさちを見る